Danfossは1933年デンマークのノルドボルグにて創業され、近年、売上高5,000億円、従業員2万人以上を有する欧州でも有数のメーカーに成長しました。
主力事業は、冷凍・エアコンディショニング、ヒーティング、VLTドライブ、ソーラーエナジー、インダストリアルオートメーション、ハイプレッシャーシステム、の6つの事業部から構成されており、水圧機器はハイプレッシャーシステム事業部に属しています。
Danfossでは、1994年に本格的に水圧機器の生産をスタートさせ、現在は消火装置、湿度装置、木材乾燥装置、産業洗浄装置、水圧装置の5つのビジネスから構成され、名実共にこの分野において、リーディングカンパニーとしての地位を確固たるものとしています。
Danfoss社製高圧型水圧ポンプは、アキシャルピストンの原理で設計され、非常に軽量かつコンパクト、そして脈動が非常に小さいのが特徴となっています。
ポンプの摺動部の潤滑は給水する水自身が行うよう設計されているので、油による潤滑は一切不要です。
使用する流体により水道水用、純水/工業水用、海水用の3種類に分類され、流体別に接液部の材質を変えております。
Danfoss社製水圧ポンプ
ポンプタイプ | ピストン数 | 脈動率 | 回転数 rpm | 流量範囲 14MPa と最小-最大回転数 |
PAH2-6.3 | 5 | 5% | 700~3,000 | 1.0~18L/min |
PAHT10-12.5 | 5 | 5% | 700~3,000 | 6.0~36L/min |
PAH20-32 | 9 | 1.5% | 700~2,400 | 13~74L/min |
PAH50-80 | 9 | 1.5% | 700~1,800 | 32~74L/min |
PAH100 | 9 | 1.5% | 700~1,500 | 64~144L/min |
ポンプタイプ | ピストン数 | 脈動率 | 回転数 rpm | 流量範囲 7MPa と最小-最大回転数 |
PAHT2-6.3 | 5 | 5% | 1,000~3,000 | 0.9~16L/min |
PAHT10-12.5 | 5 | 5% | 1,000~2,400 | 7.8~25L/min |
PAHT20-32 | 9 | 1.5% | 1,000~2,400 | 21~51L/min |
PAHT50-80 | 9 | 1.5% | 1,000~1,800 | 41~130L/min |
ポンプタイプ | ピストン数 | 脈動率 | 回転数 rpm | 流量範囲 8MPa と最小-最大回転数 |
APP 0.6~1.0 | 5 | 5% | 700~3,450 | 2.4~16.7L/min |
APP 1.5~2.5 | 5 | 5% | 700~3,450 | 5.8~41.7L/min |
APP 3.0~3.5 | 7 | 2.5% | 700~3,000 | 10~58.3L/min |
APP.5.1~10.2 | 9 | 1.5% | 700~1,800 | 32~170L/min |
APP 11~30 | 9 | 1.5% | 700~1,200 | 106~503L/min |
(1) | 軸シール(SUS316/NBR) |
(2) | 取付フランジ(SA F2205/SUS316) |
(3) | エア抜きプラグ(SA F2205) |
(4) | リテイナリング(SAF 2507) |
(5) | ピストン/シュー(SAF 2507+peek) |
(6) | バルブプレート(SAF 2207) |
(7) | スワッシュプレート(SAF 2507) |
(8) | シリンダバレル(SAF 2507) |
(9) | スプリング(SAF 2205) |
(10) | ポートプレート(SAF2507+peek) |
(11) | 接続フランジ(SAF2205) |
(12) | ベアリング付ハウジング(SAF 2205+peek) |
注意:( )内は各部品の材質
吸込口より流入した水は、ポートプレート(10)→バルブプレート(6)→ピストン(5)の順番で流れます。
ピストン(5)は、先端でスワッシュプレート(7)と接しており、ポンプ軸が電動機で回転させられると、ピストンがスワッシュプレートに沿って回転し、上から下へ回転するときに水を吸込み、下から上へ回転するときに吐出し口から供給されます。
海水用ポンプ APPタイプに使用される材質は、主に SAF2507(Super Duplex)、SAF2205(Duplex)から構成されています。
これらの材料と、塩化ナトリウム(NaCl) - 温度に関する使用範囲は、下のグラフの通りです。
ポンプは固定容量型で、流量はポンプの回転数とポンプ容量に比例します。
希望する流量は、ポンプの回転数を変えることによって得ることが出来ます。
必要回転数は、次のように算出する事が出来ます。
必要回転数 rpm =(希望流量×定格回転数 rpm )/ 定格流量
流量特性グラフ(海水用ポンプ タイプ APP0.6~APP2.2)
Pump model | Flow | Pressure | rpm | Calc.faxtor | ||||
60bar | 70bar | 80bar | ||||||
l/min | m3/h | gpm | 870psi | 1015psi | 1160psi | |||
APP1.5 | 25.11 | 1.51 | 6.63 | 3.21kw | 3.75kw | 4.29kw | 2890 | 468.6 |
APP1.5 | 30.17 | 1.81 | 7.97 | 3.86kw | 4.51kw | 5.15kw | 3470 | 468.6 |
必要入力 KW = (流量 L/min × ポンプ圧力差 bar)/Calc.factor 10bar = 1 MPa |
飲料水製造ラインに設置された水圧ユニット |
RO装置に搭載置された海水用ポンプ |
稼働部品の潤滑が流体自身で行われ、油の潤滑が不要なこのポンプは
環境保護・調和の面だけでなく、省エネルギーにも有効であり、今後様々な用途開発に注目が集まる事が大いに期待されています。